自律型組織の考え方
▼自律型組織ってなんですか?
関わるメンバー全員が常に当事者である意識を保ち、意思を持って課題に取り組んでいけるような組織です。例えば組織の中での意思決定におけるフローは、ピラミッド型でも逆ピラミッド型でもなく、ネットワーク型またはパラレル型であることが望ましいです。各メンバーは自分の課題に対し、他のメンバーの意見を取り入れながら、最終的に自ら意思決定を行います。決定事項を生み出すまでの思考ステップは、外的要因ではなく内的要因に影響されることが望ましいと考えます。この特徴だけを聞くと、個人の意思が課題に大きく反映されるという点で不安を抱く方もいることと思います。しかし私達はそれぞれチームで活動し、チームメンバー同士の意見を傾聴し合うことでその不安を補うことが可能になります。
自律型組織には様々なタイプが存在します。以下では参考になるサイトと書籍を2つご紹介します。
・ホロクラシー経営
https://www.holacracy.org/holacracyone/our-structure
・ティール組織
マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現, フレデリック・ラルー (著), 嘉村賢州 (解説), 鈴木立哉 (翻訳) https://www.reinventingorganizations.com/
上記でご紹介したフレデリック・ラルー著書である”ティール組織”の中で、彼はティールパラダイムの特徴を以下のように提示しています。
また、ラルー氏は “生命体・生態系は、全体性、複雑性、そして高い意識に向けて常に進化し続けている。”という思想を組織にも適用し、組織そのものが生命体として活動し、構成要素である各メンバーそれぞれが ”自己実現欲求”(アメリカの心理学者、アブラハム・マズローの五段階欲求の最上位)の実現を目指し成長し続けることで、その集合体である組織自体も自然と成長していくことを推奨しています。
もちろん、これらのプロトタイプを盲信し無理やりに現在の組織に取り入れるのではなく、それぞれの組織タイプに適した自律型の組織構造を創り出すことが望ましいです。
▼なぜ自律型組織を推進するのか
デジタルサーカスは創業時から、メンバーの自由と自主性、会社の透明性と公平さを大切にしてきました。その根底にあった考え方は、従来型の組織は常識に縛られて人間が自発的に働く仕組みを妨げており、もっとシンプルに人間らしく働く仕組みがあるはずだという信念に基づくものでした。自社の自由でオープンな組織づくりを追求し試行錯誤する中で、そのような組織形態は「自律型組織」というジャンルで組織論の研究対象となっていることに気付きました。そういった文献やオープンソースコミュニティの事例を参考にしつつ社内の仕組みとして積極的に取り入れ、今では「品質の追求」や「開発効率の改善」と合わせて「自律型組織の推進」が社内の日常的な取り組みになっています。デジタルサーカスは自律型組織を推進することによりメンバーの働く喜びと会社への貴族意識を高め、またそれが社会のロールモデルとしになり周りに普及していくことを目指しています。
▼透明性
業務を進行するための売上、作業時間、収益を含む全ての情報はチームのメンバがいつでもアクセスできるようになっています。毎年の社内決算報告会は新入社員やアルバイト含むスタッフ全員誰でも参加可能です。
組織構成
デジタルサーカスでは、自律型組織化への取り組みとして特定の活動に対応するチームおよびグループを設置しています。
チーム
スクラム開発プロジェクトの為のチーム
ギルド
専門的業務の為の活動グループ
タスクフォース
短期間の社内プロジェクトの為の活動グループ
各活動チームおよびグループの活動方針・計画、業務ルールなど、活動に関わる多くの決定事項は構成メンバー同士の話し合いによって決定します。
▼スクラム
アジャイル開発のフレームワークとしてスクラムを採用し、各チームがスクラムのプラクティスに準拠してミーティングや情報共有を行っています。
▼チーム制
スクラムの基盤となるのが自律的に活動する開発チームとなります。 4〜8名からなるチームごとに開発プロジェクトを担当し、チームが全責任を担いプロジェクト進行と顧客サービスを実施します。 チームはフラットな構造を保ち、各メンバーは肩書きを持ちません。皆で話し合いながらその時々で必要な仕事を分担します。
▼ギルド
インフラやマーケティングなど専門性の高い業務について、開発チームとは別に機能別のグループ「ギルド」を設置しています。 ギルドは希望者が誰でも参加でき、業務時間の中の一定の割合をギルドに振り向けることができます。 希望者が提案して新しいギルドを設置することもできます。
▼タスクフォース
短期間の社内プロジェクトは希望者が提案して「タスクフォース」を立ち上げることができます。新製品開発や社内の短期的な課題は有志によるタスクフォースで進められています。
自律運営のチームには、それぞれの構成メンバーの思想が反映されます。それ以外にも、プロジェクトの全構成メンバーの活動思想の影響も受けながら、開発活動を行います。それゆえ、チームは有機体のような性質をもち、常に一定ではありません。集合体としての成長を促すことが可能になります。常に変化する環境に身を置くことに不安を覚えることもあるかと思いますが、この変化には外発的変化と内発的変化が混同しており、後者の内発的変化については各構成メンバーの自発的意思を反映することが可能な環境となっています。これは、ギルドやタスクフォースにも同じことが言えます。
各種取り組みの紹介
デジタルサーカスでは、チームやグループ毎に定める取り組み以外にも、会社としての以下のような取り組みを実施しています。
・チーム間調整MTG(仮名)
チーム内で解決できない課題はチーム間調整MTGを招集して解決します。 各チームから代表者が集まり、チーム間のリソース調整や採用、技術的な課題などについて解決案を話し合います。
・All Hands
全員参加の月1回のAll Handsと呼ばれる全社会議を開催しています。 All Handsでは各チームが前月の活動実績と翌月の活動予定をみんなに共有します。 有志による勉強会やワークショップもこの日に開催しています。
・1on1
役員とスタッフの間で個別面談を年に数回実施しています。1on1ではメンバーの取り組みや成果、課題などについてフランクに話し合います。役員はメンバーの現在の状況についてヒアリングをすることに重点をおき、求められた場合はアドバイスや改善への手助けを提案します。
・OKR
会社やチームの目標管理の仕組みとしてOKRを採用しています。 OKRはIntel、Googleなど多くのIT企業が実践している目標管理手法です。 4半期ごとの目標と達成すべき指標を宣言し、チームメンバは決まった目標に対して最優先で取り組みます。 四半期ごとに達成度合いの振り返りと次の四半期の目標の設定を行い、それを繰り返します。
・資格取得支援制度
デジタルサーカスでは、下記の資格の取得を奨励しています。これらの資格の受験料は会社負担になります。
Location
3-5-10 Daiini Nirasawa Bldg. 3F, Minami-Aoyama, Minato-ku, Tokyo, 107-0062,