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2006/11/29 UP
一昔前(といっても10年程度前の話であるが)は、いわゆるシステムの開発に1年や2年の期間をかけるのはわりと当たり前のことであった。だがコンピュータの高速化やインターネットの登場があり、最近のシステム開発は長くて半年、1〜3ヶ月くらいの納期でリリースを行うことが増えてきている。なぜなら1年以上システム開発に時間をかけるとあっというまに中身が陳腐化してしまうからだ。 このようにシステムの開発期間がどんどん短縮化される傾向があるなか、シス 1.コミュニケーション を挙げている。 正確な仕様書やスケジュールの厳守などが、いわゆるいままでのシステム開発の価値として挙がりそうだが、エクストリームプログラミングの手法ではそれらにはあまり重きを置いていない。むしろシステムの目的や機能を共有するコミュニケーション、継続的な改善、リリーススケジュールや仕様変更への柔軟な対応といったことを重視している。われわれのように中小企業に数ヶ月でシステムを開発し納品する案件を数多く手がけてきた身からすると、これらエクストリームプログラミングのVALUEは”必須の心得”と思えることばかりである。 ただし、このなかで、「勇気」という価値については、ピンとこない人がいるのではないだろうか。 エクストリームプログラミングにおける「勇気」とは、間違っていたことを間違っていると認め、それを正しく考えて軌道修正する決断力のことを指す。そう説明を受けると、たしかにそれは非常に重要だと誰でも思うだろう。間違っていると感じながらも決断ができずに整合の取れていない仕様や貧弱なアーキテクチャの元に開発を進めてしまい、あとで過ちを修復するのに莫大なコストを要したシステム開発プロジェクトは、この仕事に従事している人であれば一度は経験しているに違いない。 しかし、「勇気」という言葉で言われてもいまいちその意味がわかりにくいし、日本でいわゆるアジャイル開発案件を多く手がけてきた経験からすると、他の3つの価値「コミュニケーション」「短期リリース」「フィードバック」と同列に加えることには違和感を覚える。むしろ、私としては、この3つに加える最後のひとつの価値は、「勇気」ではなく 4.根気 としてみたい。 「根気」こそがいわゆる日本におけるシステム開発の現場にぴったりくる大切なものである。最初に作ったものはだいたいユーザの希望を満たすものではない。新たに導入するシステムは、それがどんなに優れていたものであっても、利用者のなかに反対するグループが必ずいるものである。WEBサイトの開発であれば、セキュリティや安定性など多くのことで高い品質を求められ、運用中は常に問題が起こり続ける。 このような開発現場で働くには、己の仕事に自信をもち、継続的な改善を続けられる「根気」がなによりも大切だと感じる。自分がやっている仕事を信じ、基本的なことを根気よく続ける、言いかえれば「地味な努力」が、最終的にはユーザの評価を得るものである。そのためには、ひとりひとりがITプロフェッショナルとしての仕事に誇りを持ち、自分が行っている仕事には価値があると信じられることが必要である。 弊社の人材採用でも、応募者がこの「根気」を持っているかどうかを判断して採用するようにしている。 |
